facebook
Prev Next

NEWS

2015.04.04
小林美恵 ヴァイオリニスト Mie Kobayashi の公式FBを開設しました。演奏会のご案内、様子、近況などUPしています。ページ上部のFBのマークをクリックして”いいね”をよろしくお願いいたします。
2017.06.04
CONCERTS頁に 2017年7月14日(金)開演18:30 習志野文化ホール  サロン・コンサート オン・ステージ27 〜音楽と物語の夕べ〜 が掲載されました。
2017.04.19
CONCERTS頁に 2018年2月17日(土) 開演14:00 Hakuju Hall 小林美恵 華麗なるヴァイオリンの伝説  第1回 「ダ・ヴィンチの迷宮」 小林美恵 無伴奏の極みを弾く が掲載されました。
2017.04.18
CONCERTS頁に 2017年8月6日(日)開演15:00 昭和音楽大学 テアトロ・ジーリオ・ショウワ
出張サマ―ミューザ@しんゆり!
究極の名曲集 これぞチャイコフスキー が掲載されました。
2017.04.18
CONCERTS頁に 2017年6月17日(土)開演15:00 静岡音楽館AOIホール
子どもにためのコンサート
小林美恵&野平一郎 ヴァイオリン名曲選 が掲載されました。
2017.04.18
CONCERTS頁に 2017年5月21日(日)開演13:00 今治市伊東豊雄建築ミュージアム
サンデー・ミュージアム・コンサート が掲載されました。
2017.03.03
CONCERTS頁に 2017年3月26日(日)開演14:00  杉並公会堂 大ホール つぶてソングの集い  in  杉並 音楽の架け橋~南相馬から 再び杉並へ~ が掲載されました。
2017.03.03
CONCERTS頁に 2017年4月1日(土)開演14:00  銀座 王子ホール chiiku Lab 12歳までに知っておきたいコンサート が掲載されました。
2017.02.08
CONCERTS頁に 2017年3月11日(日)開演15:00 Hakuju Hall Hakuju 東日本大震災チャリティーコンサート が掲載されました。
ニュース一覧

小林 美恵の音楽

普段の彼女は心やさしく気さくな人柄だ。 自分のことよりまず他人のことを心配してしまう、そんな女性。 こんなに「いい人」でいいだろうか、と思うほど。
でも、ひとたびヴァイオリンを持つと、その表情は一変する。 音楽が乗り移ったようなその集中力は近寄るのも怖いくらい。

ヴァイオリンは楽器の女王である。高音域を美しい音色で自由自在に奏でる。 オーケストラでも室内楽でも、主役を演じるのはヴァイオリンである。 ちょうどイタリア・オペラでヒロイン役のソプラノ歌手が美声とさまざまな技巧(コロラトゥーラ)で 魅了するように。
主役であるヴァイオリニストは「個性的」であることが求められる。 「個性」と言っても色々ある。「技巧派」もいれば「精神性が高い」とされる人がいる。 「情熱的」な演奏があればクールな演奏もある。バッハ弾き、パガニーニ弾き・・・というのもあるし、 ソリスト向き、室内楽向き・・・などというのもある。
今の時代には、そういう「個性」を売り物にすることで差別化を図ろうとする事が多い。 しかしもし「個性」というのが音楽のある側面を強調したりあるいは削ぎ落としたりする、 ということであるとすると、小林美恵はそういう意味での「個性的」な演奏家とはちょっと違う。
彼女のレパートリーは広い。ヴァイオリン曲の重要なレパートリーはほぼ網羅しているといってよいが、 しかし曲の個性やスタイルに無頓着であるわけでは勿論ない。 どんな作曲家のどのような曲であろうとも真摯にスコアと向き合い、 全身全霊で音楽に奉仕しようとする姿がそこにある。 作曲家と「個性」で対峙するのではなく、そのメッセージを全身で受け止め、 それを自分の人生を賭けて表現していく。生気に満ちたその演奏は音楽の魂が彷彿とするようだ。 そこには人間のそして音楽の普遍性がある

小林美恵のCDはすべて繰り返し聴く価値のあるものばかりだ。 彼女が自分で納得し共感した曲しか録音しないため、そこには強い意志に支えられた説得力が常に存在する。 クライスラーの小品も、チゴイネルワイゼンも、 そしてラヴェルやドビュッシーのようなフランス物ももちろん素晴らしい。 その中で、やや通向きであるかもしれないが、彼女の魅力が特に発揮されている二つについて触れておきたい。
エネスコのヴァイオリン・ソナタ第3番。これはヴァイオリンの名手でもあったエネスコによる傑作であり、 恐ろしく細かい指示が書き込まれた譜面と様々な特殊奏法が特徴的な難曲である。 小林美恵がそれらをものともせずにこれ以上ないような完璧さ・緻密さを見せているのにまず驚かされるが、 しかし本当にすごいのは、そういう技術的なところは軽々と乗り越えて、 ルーマニアの民族音楽をエネスコが再構築させたものを現代の日本人の感性により 新たな音楽となって生まれ変わらせているところだ。ピアノのパスカル・ロジェとの相性もよい。
あるいはバッハの無伴奏ソナタ第1番とパルティータ第2番、第3番。 三十代半ばの小林美恵が大バッハの神格化された名曲と真摯に向き合い、のびやかに表現したものだ。 彼女は曲目解説でバッハへの「畏敬の念」という言葉を使っているが、 有名なシャコンヌも肩ひじを張ったところが微塵もなく、あくまで音楽の流れが自然である。 この美しく一点の曇りもない演奏に心を動かされない人はいないだろう。 近年のステージでは彼女はもっと表現意欲が強いスタイルでバッハの無伴奏を演奏するようになってきており、 それはそれで成熟の証しとなっているが、以前のこのまっすぐな演奏にも尽きせぬ魅力がある。 (残念ながらこのCDは現在入手が難しくなっているようだ。)

これからも小林美恵はさらに変貌を遂げ、深化していくことだろう。 彼女の人生が音楽であり、音楽が人生である。
「音楽する喜びとは、生きているということです」小林美恵